台風がさったあとから、雨漏りし始めた・・・。
こんな経験ありますか?
実は、台風で家の一部が壊れたことが原因の雨漏りは、火災保険支払いの対象になります。
しかし、老朽化による雨漏りは支払い対象外です。
雨漏りの原因が、台風によるものなのか、老朽化によるものなのか、保険会社に証明する必要があります。
この証明がなかなか難しいです。
今回は、雨漏りの原因をつきとめる方法や費用、火災保険の支払い対象になった事例を紹介します。
■目次
台風被害で火災保険の保険金がもらえた事例

では、実際どんな場合に火災保険金がもらえたか、事例をみていきましょう。
ケース①:台風で和室に雨染み発生
この家主さんは、台風が過ぎ去ったあと、1階の和室に雨染みを発見したそうです。
<和室の雨染み>

引用:あすなろLIFE
外壁に面した窓側1面だけでなく、反対側の壁にも雨染みがあったようです。
原因は、バルコニーの手すり鉄板が台風の強い風によりはがれて、そこからバルコニー床内部を伝って1階の和室へと雨が染み込んだとのこと。
<家の外観>

引用:あすなろLIFE
<原因箇所>

引用:あすなろLIFE
リフォーム会社さんから「申請するときには建具の雨染みなど、明らかに通常使用では考えられない損傷を写真撮影しておいた方が良いですよ」という入れ知恵!?をいただきました。
ですから雨漏りしたらすぐにリフォームして修理してはダメです。修理前の証拠写真をちゃんと撮っておきましょう!
私の場合は、壁の雨染み写真と一緒にそれ以外にも6〜7枚くらい写真同封して、保険会社へ送りました。
引用:あすなろLIFE

ケース②屋根棟金剥がれ
こちらは、台風で屋根の板金が剥がれたとのこと。
<屋根板金の剥がれ事例>

引用:株式会社TOKO住宅
屋根板金が剥がれると、雨漏りへつながるので早急に修理しましょう。
ケース③棟瓦の崩れ
こちらは、屋根の老巧化が進んでいたため、台風で棟瓦が崩れたために、瓦を積み直す工事を行いました。
<棟瓦の崩れ事例>

引用:広岡かわら

老巧化したものには、火災保険は適用されないんじゃないの?

雨漏りの原因は台風?老朽化?【調査方法】


目視調査と散水調査
調査員の経験から、ヒアリングと目視で雨漏りの原因を仮定します。
その仮定した浸水箇所に散水して、屋内の雨漏りしている箇所を観察します。
散水するために、脚立を使用したり、足場を組んだり、ロープを使ったり、クレーン車を使用したり、周囲の環境によって様々な方法がとられます。
<足場を組んで散水>

引用:株式会社中山コーティング
<クレーン車を使って散水>

引用:有限会社伊藤板金工作所
調査員が散水の時間や角度を変えることにより、雨漏りの原因を特定します。
発光液調査
雨漏りと思われる箇所から、紫外線に反応する発光液を流します。
屋内の雨漏りしている箇所で、紫外線をあてて観察します。
屋外からの発光液が雨漏り箇所まできていたら、流し入れた箇所が雨漏りの原因箇所になります。
最近では、発光するときの色が違う発光液を使用して、複数ある浸水口の特定が簡単になっています。
<レインボー発光液>

引用:雨漏り究明 リーク
レインボー発光液を使うことにより、複数の浸水口がある雨漏り調査において、大幅に時間短縮できるようになりました。
赤外線サーモグラフィー調査
赤外線サーモグラフィーカメラを使用した調査方法です。
雨漏りで濡れている箇所や雨水が溜まっている箇所は、温度が下がったり、反対に太陽にあたためられて高温化します。
赤外線カメラを使用して、温度が下がったり上がったりしている場所を確認します。

引用:株式会社鈴木工業
目視だけでは分からない雨漏りの原因を、正確に特定できます。
調査費用

調査方法 | 費用 |
目視調査 | 無料~3万円 |
散水調査 | 3万円~18万円 |
発光液調査 | 10万円~25万円 |
赤外線サーモグラフィー調査 | 18万円~35万円 |


雨漏りは家の内部で起こっているから、原因を見つけるのが難しいんだ。
雨漏り診断士という資格をもった人が丁寧に調査しないと、雨漏りは再発しやすいトラブルだから慎重にね。
詳しい調査方法や、雨漏りの二次被害についてまとめたのでご覧ください。
雨漏りが台風被害とわかったら、火災保険金を請求しよう!【手順】

雨漏りの原因が「台風」だと判明したら、火災保険金を請求しましょう。

- リフォーム会社に雨漏り調査に来てもらい、原因を追究してもらう
- リフォーム会社から、補修工事の見積もりをもらう
- 台風被害の証拠写真を撮る(屋根は登ると危険なので、リフォーム業者へ任せる)
- 損害保険会社に、台風被害にあったことを伝える
- 書類を揃えて、写真も添えて申請
- 保険金が支払われ、リフォーム会社で補修工事をしてもらう

申請期限は、台風被害にあってから3年以内だから、焦らなくて大丈夫だよ。
でも雨漏りは本当に家を傷めるから、もし台風が原因でなくても雨漏りリフォームは早めにね!
老朽化の雨漏りで火災保険金はでません!

火災保険の一般的な基本補償は、このようになっています。
火災保険 | ||
火災リスク | 火災 | 火事・落雷・ガス爆発 |
自然災害リスク | 風災 | 台風・大雪 |
水災 | 大雨・洪水 | |
日常生活リスク | 水ぬれ | 給排水設備に発生した事故 |
盗難 | 空き巣被害 | |
破損 | 偶然の事故 |
台風による被害、いわゆる風災は、台風にたびたび襲われる日本において必要不可欠です。
わざわざ風災を外した記憶がなければ、基本補償のなかに風災補償は入っています。
しかし、保険会社によって具体的な内容は違うので、お手持ちの火災保険証を確認してみてくださいね。
風災補償は、台風や大雪で家に被害をうけると、免責金額以上の被害額が出れば保険金がもらえます。
この被害額は、補修するときにかかる金額です。
免責金額とは、損害が発生した場合の自己負担額です。被害金額が免責金額より多くなければ、保険金は支払われません。
各損保会社で、一般的に0円・3万円・5万円・10万円の金額で設定できます。免責金額が多いほど、月々の保険料は安くなります。
一方、老朽化による雨漏りは、風災補償対象である「自然災害」に当たりません。
突発的に起こった事故ではないためです。
太陽光や日常に起こる雨・風により、家が劣化することが老朽化です。


しかし、雨漏りがいつ始まったか分からない場合がありますよね。
雨漏りの原因を特定して、「台風が原因」であることを証明しなければ火災保険はもらえません。
まずは、雨漏りの原因が「台風」なのか「老朽化」なのかを特定しましょう。
いずれにせよ、雨漏りはそのままにしておくと、柱や壁が腐り、資産価値が下がってしまいます。
雨漏りは早急に補修しましょう。
「火災保険で修理費無料!」のセールストークには気を付けて!


高齢の両親が、築40年の木造住宅で暮らしています。
先日、見ず知らずのリフォーム業者が、「保険で屋根の葺き替え工事をしないか」と訪ねて来ました。
リフォーム業者は「住宅の火災保険は、自然災害で屋根が壊れた場合にも使える」「損傷は経年劣化によるものだが、強風で屋根が傷んだことにすれば保険金が70万円くらい出るので、実質無料で工事ができる」「保険会社への申請手続きはすべて当社が代行する」と言ったそうです。
両親は喜び、その場で70万円の屋根工事契約を結びました。
来週から工事が始まりますが、私は、話がうますぎて不安を感じています。このような工事をして大丈夫でしょうか。
その場で訪問販売会社と契約するのは、やめましょう。
悪徳業者ではない可能性もありますが、本当に適正価格で工事をしてるのか?と不安を残してはいけません。
他の会社からも相見積もりをとって比べてみましょう。
比べることで、訪問営業にきたリフォーム会社の価格や対応が適正なのかを判断できます。
また、訪問営業で見積もりをもらって、すぐに着工したけど、火災保険金が見積金額より少なかったという事例もよく聞きます。
いずれにしても、訪問営業を受けたその場で、訪問販売会社と契約するのはやめましょう。
もし、すでに契約してしまったとか、他にもリフォームで困ったことに巻き込まれたなどあれば、住宅リフォーム・紛争処理支援センターへの相談をおすすめします。
突然の雨漏り! 火災保険で台風被害を補償してほしいかたへ【まとめ】
何度も繰り返しますが、雨漏りは家を傷めます。
柱や壁にカビが生えたり、腐ってしまうと、シロアリがよってきます。
シロアリに襲われたら、耐震強度が下がり、もしもの地震で倒壊しかねません。
雨漏りは、台風が原因だろうと老朽化が原因だろうと、一刻も早くリフォームすることをお勧めします。

- リフォーム会社に雨漏り調査に来てもらい、原因を追究してもらう
- リフォーム会社から、補修工事の見積もりをもらう
- 台風被害の証拠写真を撮る(屋根は登ると危険なので、リフォーム業者へ任せる)
- 損害保険会社に、台風被害にあったことを伝える
- 書類を揃えて、写真も添えて申請
- 保険金が支払われ、リフォーム会社で補修工事をしてもらう
まずは、雨漏りの原因特定からしてみましょう。


ぼくのおすすめの業者は「雨漏り110番」!
24時間、365日対応してくれるよ!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
