家の外壁は訪れる人を真っ先に迎えてくれる、言わば「おうちの顔」。
更に、雨風や太陽の熱線などからも守ってくれる、ボディガードの様な存在でもあります。
お家の印象と住み心地を左右する、大切な役目を果たしている外壁。
リフォームするにも大きな工事になるため、絶対に失敗したくないですよね。
- 「初期費用はなるべく抑えたい」
- 「長い目で見て結局おトクな外壁材はどれか知りたい」
- 「やっぱり見た目のおしゃれ感も大切!」
- 「メンテナンスが楽な外壁材がいいな」
など、読者様それぞれが優先したい条件や実現したい外観のイメージをお持ちだと思います。
でも、外壁材は種類が多いため、どれを選べば良いのか悩んでしまいますよね。
今回は、見た目のお洒落さとメンテナンスのしやすさで人気の「タイル」と、普及率の高い「サイディング」を比べてみました。
まずは、それぞれの外壁材の特徴を知って、ご自身の希望の条件と照らし合わせていきましょう。
■目次
タイルの特徴

引用:LIXIL
では、まずタイルの特徴から見ていきましょう。
タイルのメリット
①耐久性が高い
タイルは、粘土などの天然素材を、約1300℃の高温で焼いたものです。
そのため、耐久性に優れています。
傷に強く、紫外線や雨にさらされても、変色や劣化がほとんどありません。
また吸水性が低いため、外壁に水が染み込む心配もほとんど無く、雨から建物を守ってくれます。
②デザイン性が高い
タイルには自然素材ならではの風合いや、他の外壁材には出せない独自の高級感や重厚感があります。
また、色やデザインの種類も豊富です。
サイディングにもタイル調の商品がありますが、本物のタイルと比べると、やはり質感や重厚感が違います。
検討している方は、展示場で見比べてみることをおすすめします。
③メンテナンスがほぼ不要
一般的にサイディングなどの外壁材では、10年程で塗装の塗り替えが必要になってきます。
それに対してタイルは、塗装の塗り替えの必要が無く、定期的に高圧洗浄を行うだけで良いので、メンテナンスのコストが抑えられます。
ただし、タイルの目地部分は劣化してしまうので、10年程でメンテナンスが必要です。
また、地震などの影響でヒビなどが発生した場合は、破損した箇所だけ部分的な補修をすることが可能です。
施工時に余ったタイルはもらえるので、補修用に保管しておくといいですね。


タイルのデメリット
①初期費用が高い
タイルは、サイディングと比べると初期費用が高くなります。
タイルの種類や工法によって変わってきます。
一般的な価格は、サイディングが約4,000〜6,000円/㎡であるのに対し、タイルは約13,000〜35,000円/㎡(下地パネル+タイル代)です。
このように、タイルはサイディングの2倍以上の価格になることが分かります。
ただ、タイルにはランニングコストが安いというメリットがあるため、長期的に考えるとサイディングよりも安くなる場合が多いです。
②仕上がりが職人の腕に左右されやすい
タイルは施工する職人の腕が良くないと、浮きや剥がれが発生してしまうことがあります。
せっかくコストをかけてタイルの外壁にするのに、タイルのメリットが発揮されなかったら残念ですよね。
修理のために余計な費用が発生することを防ぐためにも、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
施工例
タイルの施工例がこちらです。

引用:LIXIL

引用:LIXIL

サイディングの特徴

それでは、サイディングの特徴を見ていきましょう。
サイディングには、大きく分けて「窯業系」、「金属系」、「木質系」、「樹脂系」の4つの種類があります。
このうち主に使用されているのが、窯業系サイディングと金属系サイディングです。
窯業系サイディングとはセメントや繊維質などを板状に形成したもので、金属製サイディングはガルバリウム鋼板などの金属で形成されたものです。
国内の戸建住宅で使用されている外壁材のうち約7割が窯業系サイディング、約1割が金属系サイディングとなっています。
住宅の約8割がサイディングを採用していることになり、圧倒的なシェアを誇っていることが分かりますね。


窯業系サイディングのメリット

引用:ニチハ
①色やデザインが豊富
窯業系サイディングには、レンガ調、木材調、タイル調など、様々な質感の商品があります。
色もモノトーンからカラフルなものまで揃っているので、イメージに近いデザインを選ぶことができます。
②初期費用が安い
窯業系サイディングは大量生産することができるので、コストを安く抑えることが可能です。


③工期が短く、仕上がりが均一
窯業系サイディングは、建物の外側からサイディングボードを貼り付けていく工法となっています。
この工法は他の工法より作業が簡単で、仕上がりも均一になるものです。
そのため、工期は短く、仕上がりも業者によって大きな差が出るということがありません。
窯業系サイディングのデメリット
①メンテナンスにコストがかかる
窯業系サイディングは、10年目頃からボードの継ぎ目や目地に施されたコーキング(シーリング)に劣化が見られる様になります。
そのため、定期的なメンテナンスが必要になります。
サイディングのつなぎ目(目地)に充填する、隙間を埋めるためのゴム状の材料。
②防水機能が無い
セメントと繊維が主原料のためサイディングボード自体には防水機能がありません。
そのため表面の塗装が防水機能を担っているのですが、塗装が劣化がするとそこから水が侵入してしまいます。
塗装は大体7~10年で劣化するので、定期的な塗り替えが必要です。
また、気温の影響で膨張したり反り返ることもあります。



施工例
では、釜業系サイディングの施行例をご紹介しますね。

引用:旭トステム

引用:旭トステム

引用:旭トステム

金属系サイディングのメリット

引用:kmew
①断熱性が高い
金属系サイディングは、中に断熱材が入っているため、窯業系サイディングなどよりも外気の影響を受けにくく、室内を一定の気温に保ちやすい効果があります。
そのため、冷房や暖房も効果的に使うことができ、省エネ効果が期待出来ます。
②耐震性に優れている
金属系サイディングの重さは、窯業系サイディングの1/4でとても軽い素材です。
そのため、家の柱や基礎などの躯体に負担がかかりにくく、地震が起きたとしてもヒビが入ったり、落ちたりしにくい素材となっています。
③防水性が高く、凍結しにくい
窯業系のサイディングは、塗料が劣化して剥がれてしまった部分から内部に水が染み込みやすいです。
そのため、外壁が凍結して膨張や破裂が起こり、壁が崩れてしまう可能性があります。
対して、金属サイディングは表面が金属のため、内部に水が染み込みにくく、凍結の心配がない外壁材です。
そのため、北海道や東北地方などの寒冷地域では、金属系サイディングを採用するお家が増えています。
金属系サイディングのデメリット
①サビが発生しやすい
金属は、もともとサビが発生しやすい素材です。
10~15年ほど経つと、表面の塗装の劣化によってサビが発生しやすくなってしまいます。
酸性雨や台風などの天候の影響で錆びやすくなることもあるため、雨が降った後には外壁の洗浄が必要です。
海辺の地域では、塩害の影響で特にサビが発生しやすくなるので、金属系サイディングは不向きです。
金属系サイディングにする場合は比較的サビに強い、ガルバリウム鋼板やアルミを選びましょう。
②傷がつきやすい
金属系サイディングは、強度は強いのですが傷が付きやすいという特徴があります。
物が当たってへこんだり、鋭い物で強くこすったりすると傷がついて、塗装の劣化やサビの発生の原因となり、メンテナンスの周期を早めることになってしまいます。
③デザインが限られる
窯業系サイディングの豊富なデザインや質感と比べると、金属系サイディングのデザインは豊富とは言えません。
金属系サイディングにもタイル調やレンガ調、木目調などのデザインがありますが、金属ですのでどうしてもシャープな印象になってしまいます。
モダンでスタイリッシュな印象の外観にしたい方には向いていますが、温かみのある外観にしたい方には不向きかもしれません。
施工例
金属系サイディングの施工例を見てみましょう。
引用:株式会社みすず

引用:SUVACO

引用:YKKAP株式会社

タイルとサイディングのコストを比較!

タイルとサイディングの特徴がわかったところで、次は気になるコストを比べてみましょう。
やはり、一番気になるのはコストですよね!表にしてみましたので、ご覧ください。
外壁材 | 初期費用 | メンテナンス費用 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
●タイル |
13,000〜35,000円/㎡ | 30〜50万円 | 40年 | 20年(洗浄・目地補修) |
●窯業系サイディング | 4,000〜6,000円/㎡ | 100〜150万円(塗り替え)
150〜300万円(張り替え) |
25〜30年 | 7〜10年(塗り替え)
20〜30年(張り替え) |
●金属系サイディング | 3,000〜5,000円/㎡ | 30年 | 10〜15年(塗り替え) |
メンテナンスの費用と周期は、使用しているサイディングや塗料の種類、外的な要因などによって変わってきますが、上記の価格が大体の目安となります。
初期費用が安いのはサイディングですが、長期で見るとタイルの方が割安になる場合が多いです。
メンテナンスには、お金だけではなく時間もかかるので、長期的なメンテナンス計画が大切です。
外壁に最適なのはタイル?サイディング?のまとめ
外壁材には、それぞれメリットやデメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。
今回ご紹介したそれぞれの外壁材の特徴をおさらいしてみましょう。
メリット
- 耐久性が高い
- デザイン性が高い
- メンテナンスがほぼ不要
デメリット
- 初期費用が高い
- 仕上がりが、職人の腕に左右される
メンテナンスのコストと手間を抑えたい方
高級感のある外観にしたい方
メリット
- 色やデザインが豊富
- 初期費用が安い
- 後期が短く、仕上がりが均一
デメリット
- メンテナンスにコストがかかる
- 防水機能が無い
初期費用を抑え、多様なデザインを楽しみたい方
温かい雰囲気のデザインが好きな方
メリット
- 断熱性が高い
- 耐震性に優れている
- 防水性が高く、凍結しにくい
デメリット
- サビが発生しやすい
- 傷がつきやすい
- デザインが限られる
シャープでモダン、かっこいい外観にしたい方
寒い地域にお住まいの方
初期費用を抑えて、メンテナンスも楽な外壁材にしたい方

※凍害とは、寒い地域で外壁材の中の水分が日光や外気の影響を受けて凍結し、膨張することでひび割れなどが起こることです。
外壁材は種類も多く、どの素材にもメリットとデメリットがあるので、迷ってしまいますよね!
そんな時には、実現したい外観のイメージや、優先したいポイントをもう一度整理してみてください。
展示会や見学会へ足を運んで、実際のサイズを確認すると、具体的にイメージできるのでオススメですよ。
今回の記事が、少しでも読者様の参考になれば嬉しいです。
タイルにするよりもお得!?タイル調のサイディングにしてみませんか?
気になる方はチェックしてみて下さいね。

詳しくは、こちらをご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。