リフォームで屋根の形を変えたいと思う方は少なくありません。
- 中古住宅を購入したけど外観を変えたい
- 隣の家に雪が落ちないようにしたい
- 雨漏りがしにくい屋根にしたい
- 屋根裏収納を作りたい
そんなとき、思うがままに屋根の形を変えられたら便利ですよね。
屋根の形を変えるリフォームは可能ではありますが、大規模な工事になるため費用は高額です。
この記事では屋根の形状の種類と特徴を紹介するとともに、形状変更の費用と注意点をまとめました。
せっかくのリフォームで後悔しないために、ぜひ参考にしてくださいね!
リフォームで屋根の形を変えるときの費用は?

「屋根の形を変えたいけど、そんなことできるのかな?」
そう思っている方は多いですよね。
結論から言うと、可能です。
費用は屋根の形状によっても違いますが、200万円~700万円程度。
大規模なリフォームになるため費用も高額だし、工期も長めです。
そう頻繁に変更することもできません。
まずは屋根の形状を変えずに、今の悩みが解決できないか考えてみましょう。
落雪対策なら雪止めを設置するという方法もありますし、雨漏り対策なら屋根のメンテナンス次第で高い防水効果が得られます。
その上でやっぱり屋根の形を変えたい!という時は屋根の形状のメリット・デメリットをよく理解し、リフォーム業者とよく相談して検討してくださいね!
リフォームで屋根の形を変えるときの注意点


デザインが気に入っても、実は雨漏りなどのリスクが高かったり、施工できるリフォーム業者が少なかったりするんだ



自由に選べるわけではないのね



そう!ここからは屋根の形を変えるときに注意することを紹介するよ!
屋根の形を変えるリフォームは費用も手間もかかる大規模な工事です。
いざ工事を始めたら、予想外の費用がかかったり色々な手続きが必要になることもあります。
やり直しの効かない大きな工事だからこそ、事前にしっかり注意点を確認しておきましょう!
屋根を変えたら確認申請が必要になる!?
屋根のリフォームをしても床面積が変わるわけではないので、基本的に確認申請は必要ないと言われています。
しかし、建物の高さには制限があるため、リフォームすることによって屋根の高さが変わる場合は確認申請が必要になります。
そして、確認申請は建築基準法の知識が必要になるので素人が自力で行うのは難しいです。
申請代行にかかる費用は25万円~30万円程度。
申請代行の費用を節約するなら、確認申請が必要ない屋根の形状をリフォーム会社に確認するといいですね。
予想外の費用がかかるかも!?
リフォーム費用は形状や屋根材によって大きく変わりますし、屋根の下地が劣化している場合は補修費用もかかります。
そして、かかる費用は実はそれだけではありません。
屋根の形状変更という大掛かりなリフォームは住みながらの工事が難しく、仮住まいの費用も必要になります。
屋根の形状によって将来的なメンテナンス費用も高くなりますね。
例えば越屋根は構造が複雑なので雨漏りもしやすいですし、万が一雨漏りしたときの原因究明にも時間がかかります。
陸屋根は屋根材の防水性能が重要で、マメなメンテナンスが欠かせません。
リフォーム費用が安くても、将来的にかかるメンテナンスコストが高くつくこともよくあります。
屋根の形を変えるときには、建物の耐久性に影響が出ないかを確認するために「構造計算」をします。
構造計算は建築士でなければできません。
建築士に構造計算をお願いすると10万円~20万円の費用がかかります。
リフォーム費用以外に思わぬ費用がかかったりもするので、予算面に関してリフォーム業者とよく相談するようにしましょう。
複雑な構造の屋根に注意!
複雑な構造の屋根は凝った感じがして、見た目もユニークでオシャレですよね!
ですが、構造が複雑になればなるほど雨漏りのリスクが高くなります。
屋根材のつなぎ目が多くなるからですね。
屋根からの雨漏りのほとんどは屋根材のつなぎ目・接合部分で起きています。
また、屋根の形が変わると固定資産税も変わる可能性があります。
複雑な形ほど評価額が高くなるので注意しましょう。
屋根の形状の種類と特徴1


何となく屋根の形を変えたいなーと思っていても、具体的にどんな形にしたらいいのか迷っている方も多いでしょう。
屋根の形状にはたくさんの種類があります。
その中から10種類ピックアップして特徴とメリット・デメリットをまとめました。
ぜひ参考にしてくださいね。
ではまず、代表的な切妻屋根・寄棟屋根・片流れ屋根の3種類を紹介します!
切妻(きりづま)屋根


いわゆる「三角屋根」で、日本でよく見かけるオーソドックスな屋根です。
費用は200万円~400万円程度。
- 構造がシンプル。
- 雨漏りのリスクが少ない。
- 屋根裏の換気設備を設置しやすい。
- メンテナンスが簡単。
- 全ての屋根材が使用可能。
- 洋風の家にも和風の家にも合う。
- 個性がない。
- 屋根がかかっていない側の壁が劣化しやすい。
- 東西方向に屋根面があると太陽光の発電効率が悪い。
寄棟(よせむね)屋根


4方向から屋根面を支える構造になっています。
費用は300万円~600万円程度。
- 耐風性があり、台風や嵐に強い。
- 4方向全てに屋根がかかっているため、外壁の劣化を防ぐことができる。
- 雨や雪の重さを分散できる。
- リフォーム費用が割高。
- 雨どいが長くなる。
- 接合部分が多くなり、雨漏りのリスクが増す。
- 4方向全てに雪が落ちる。
- ソーラーパネルを設置しにくい。
- 屋根裏のスペースが取れない。
片流れ屋根


一面だけ傾斜している屋根です。
シャープな形が人気で最近の住宅で増えています。
費用は200万円~350万円程度。
- 構造がシンプル。
- 雨漏りのリスクが少ない。
- 窓を上部に設置できるので家の中が明るい。
- ソーラーパネルを設置しやすい。
- 雨や雪を一面だけで受ける。
- 大きい雨どいがないと雨水を処理しきれず溢れてしまう。
- 落雪で一箇所だけに雪がたまる。
- 屋根がかかっていない面の壁が劣化しやすい。
片流れ屋根は屋根の高さが高くなるため、斜線規制・高さ制限に注意が必要です。
屋根の形状の種類と特徴2


次は、方形屋根・入母屋屋根・はかま腰屋根の3種類をご紹介します!
方形(ほうぎょう)屋根


4方向に傾斜する屋根です。
寄棟屋根に似ていますが、水平部分がないのが特徴です。
- 耐風性がある。
- 屋根の下の部屋を正方形にする必要がある。
- ソーラーパネルの設置に不向き。
入母屋(いりもや)屋根


寄棟屋根と切妻屋根を組み合わせたような屋根です。
日本の伝統的な屋根で田舎に多いです。
- 屋根裏の断熱性・通気性がいい。
- 構造が複雑。
- マメな点検、メンテナンスが必要。
- 施工実績のあるリフォーム業者が少ない。
はかま腰屋根


切妻屋根の屋根がかかっていない側に、少しだけ屋根面がある形です。
隅切屋根・半切妻屋根・ドイツ屋根とも言われます。
斜線制限があって、あまり屋根の高さを高くできないときに採用されます。
- 室内の自由度が高い。
- 雨漏りが発生しやすい。



あっくん、まだあるの?



まだあるんだ。
次は、ちょっと変わった屋根を紹介するね。
屋根の形状の種類と特徴3


次にご紹介するのは、招き屋根・差し掛け屋根、越屋根、陸屋根、バタフライ屋根の4つです。
招き屋根・差し掛け屋根


切妻屋根の上部をずらした屋根です。
- 強風・突風に強い。
- 施工費が安い。
- 屋根裏の断熱性・通気性が高い。
- 上側の屋根と下側の屋根の間に窓を付けることができる。 → 採光性アップ!
- 雨漏りが発生しやすい。
- 施工経験のあるリフォーム業者が少ない。
越(こし)屋根


屋根の上にさらに小さな屋根が乗っているものです。
- 通気性・採光性が高い。
- 構造が複雑。
- 雨漏りが発生しやすい。
陸屋根


勾配のほとんどない屋根で、ベランダのように屋根の上を歩くこともできます。
ルーフフラット式無落雪屋根もこの形状です。
もともと勾配のある屋根を陸屋根にする場合、費用は100万円~300万円と他の形状に比べて安めです。
- 落雪対策が必要ない。
- 雨水が流れずに溜まってしまう。 → 防水性能とマメなメンテナンスが重要!
- ソーラーパネルの設置に不向き。
- 木造住宅には不向き。
バタフライ屋根


V字型になっているユニークな屋根です。
スノーダクト式無落雪屋根もこの形状です。
- 個性的。
- 傾斜が緩いため、雪下ろしの際の転落事故を防げる。
- 排水がうまくいかないと溢れてしまう。
- 屋根材、樋が劣化しやすい。
- 雪の重みでトラブルが発生しやすい。
- 排水部が凍ったりゴミがたまるとすが漏りが発生する。
すが漏りとは凍った雪(すが)による雨漏りのこと。
リフォームで屋根の形を変える費用と注意点まとめ
- リフォームで屋根の形を変えることは可能。ただし、費用と手間がかかる。
- 屋根の形を変えるリフォーム費用は200万円~700万円程度。形状や屋根材によっても変動。
- 屋根の高さが変わる場合、確認申請が必要。
- 仮住まいの費用や構造計算の費用など、リフォーム費用のほかに費用がかかることがある。
- 複雑な形の屋根は雨漏りのリスクが高く、固定資産税も高くなる。
- 代表的な屋根は切妻屋根・寄棟屋根・片流れ屋根。
屋根の形には色々あります。
今回紹介した10種類の中でも「これ見たことないな~」「珍しい形だな~」というものがいくつかあったのではないでしょうか。
せっかく屋根の形を変えるならオシャレなものにしたいし、周りとはちょっと違った個性的なものを選びたい!
そんな気持ちもよく分かります。
僕は、一番気に入った屋根にして愛着の持てる家にして欲しいなと思います。
ただ、屋根の形状変更のリフォームは大掛かりで、そう何度も変えることはできません。
デザインだけで決めてしまうと、後で「失敗したな~」と後悔することもあります。
どんな形でもメリット・デメリットの両面が存在します。
ぜひそこを理解してプロのリフォーム業者とも相談しながら慎重に検討して欲しいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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