住み始めた頃はあんなにピカピカだった屋根や外壁。
数年の時を経て、思い出と共に最近汚れも溜まってきている気がする。
かといって、雨漏りなどもないし、特に困っていることもないけれど……
と屋根や外壁のリフォームをどのタイミングでしたらいいのか悩まれている方は少なくないはず。


でもその考え、ちょっと待ってください!
屋根や外壁は美観のためだけに存在しているわけではないんです。
そして、リフォームの時期が遅れすぎてしまうと、家そのものが長持ちしない可能性も……?!
今回は屋根や外壁のリフォーム時期にお悩みの方に向けて、適切な時期と共に屋根や外壁をリフォームする重要性も知っていただきたいと思います。
■目次
屋根や外壁のリフォームはなぜ必要なの?
一見、劣化に気付きにくい屋根や外壁。お金をかけてまでリフォームする必要性を感じない方もいますよね。
けれど、よくよく考えてみてください。
屋根や外壁は365日休むことなく外気に晒されている部分ですよね。
雨や台風、かんかん照りのお日様の下で、毎日屋外に建っているのです。
そう考えると、家の中で一番ダメージを受けているのは、屋根や外壁かもしれません!
屋根や外壁の役割は建物の美観を保つだけでなく、あらゆる自然現象から建物の内部を守る働きがあります。
屋根や外壁にはそれを見越して防水性のある塗料などが使われています。
ですので、それらの素材が劣化すると、家の内部を守れなくなってしまうのです。
例えば外壁が劣化すると雨水が内部まで染み込んでしまい、コケやカビ・ひび割れが発生し、家の内部まで腐食してしまうこともあります。
そこまで劣化してしまうと、内部のリフォームも必須になってくるので、その分費用も高額になってしまいます。
こういった事態を防ぐためにも、時期を見てしっかりリフォームすることがおすすめです。
屋根や外壁のリフォームする時期、判断基準になるサインは?
「リフォームをした方がいい」ということは分かりましたが、実際にどうなったらリフォームを検討した方がいいのでしょうか?
屋根と外壁それぞれの「リフォームした方がいい」と判断できるサインをまとめました。
こんなサインが見えたらリフォームの時期!~屋根編~
屋根で一番怖いのは雨漏りですよね。
雨漏りをまだしていないから大丈夫という方もいます。
ですが、雨漏りしている時点で、すでに内部はかなり腐食してしまっているのです!
もちろん、内部まで工事が必要な分、費用もかかってしまいますね。
しかし、しっかり点検をすることで最悪の事態は防げます。
ぜひここでご紹介するサインに気をつけてチェックしてみてください。
- 新築から5年~10年(塗装の種類による)
- 色褪せ
- ひび割れ
- 苔やサビの発生
- 瓦の隙間や穴
- 瓦のズレ
- 鬼瓦と棟のズレ棟部の隙間
これらのサインは、雨が屋根へ入り込んでいる状態だということを意味しています。


ちなみに築5~10年を目安にサインをチェックする理由は、屋根の塗装種類の違いにあるんだよ。。
【屋根塗装の種類別耐用年数】
屋根塗装にも様々な種類があり、それによって耐用年数も大きく変わってきます。
一般的に屋根塗装のリフォーム目安が5年〜10年と言われているのは、スレートやトタン、セメント瓦を使用しいてる家が多いことからです。

粘土瓦などは、色褪せもほとんどしない高品質な素材です。
そんな粘土瓦でも、瓦を支える漆喰などは劣化していくためにこのように耐用年数が設定されています。


【屋根リフォームを放っておくと、どうなる?】
さきほども述べた通り、屋根のメンテナンスを放置すると、屋根の塗装がはがれ、内部が雨によって腐食されていきます。

ちょっとまだピンとこないわね。腐っちゃった部分を取り替えるのってそんなに大変なの?

屋根のリフォームを放置することの恐ろしさを知っていただくために、まずはこの絵を見てください。

引用:テイガク屋根修理
屋根の表面から見える部分の下には、雨風をしのぐために何重にもパーツが重なっています。
表面の瓦部分が一次防水だとすると、下葺き材が二次防水にあたります。
野地板は土台になり、垂木の骨組みで家本体と繋がっている状態です。
屋根の防水機能がなくなると言うことは、表面の屋根材と下葺き材が機能していない状態ということになります。
染み込んだ雨は野地板を染み出し、垂木まで侵入してきます。
ここまでなってしまうと、屋根は全く役割を果たせていない状態です。

塗装どころの話ではなくなるということです。
葺き替え工事は野地板から上を全て取り除き、新しい屋根を乗せます。
かなりの大掛かりな工事になることは想像に難くないと思います。

そのとおりです。
例えば80万程度の塗装リフォームで済んだはずのものが、200万にも跳ね上がる場合もあるのです!
でも、屋根がないと生活できないので、こうなってしまうともう払うしかない。
そんなことにならないように、自分の家の屋根材の種類を確認して、耐用年数はしっかり把握しておいてください!
こんなサインが見えたらリフォームの時期!~外壁編~

でも、外壁って真上から雨が降ってくる屋根と違って、そこまでダメージは少ないんじゃない?

外壁塗装のイメージでいうと「美観」を目的にしたもの、と考える方もいると思います。
ですが、実は外壁塗装も外部環境から家を守る役割をしっかり果たしているのです!
まずは外壁塗装のリフォーム時期を見極めるサインを紹介します。
- 新築から10年程度
- 変色
- 汚れ
- カビ、苔
- ひび割れ
- 膨れ
- チョーキング現象
- 剥がれ
この中でも特に注意すべきはチョーキング現象と剥がれです。
この現象が起きてる時にはかなり劣化が進んでいる証拠なので十分注意してください。
チョーキング現象というのは、外壁を手で撫でた時に、手のひらにチョークのように白い粉がつくことを言います。

引用:株式会社コヤマ塗装
チョーキング(Chalking)とは日本語では白亜化(はくあか)とも言い、主に塗装表面が暴露状態の際に紫外線・熱・水分・風等により塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)のような粉状になって現れる現象や状態をいう。
日本語では物の表面が汚れていないのに微細な汚れがあるように見えるとき「粉が吹く」と表現し、チョーキングに相当することが多い。
引用:Wikipedia
これは外からの刺激(紫外線や雨風)によって、外壁の塗料からでた合成樹脂の成分が分解されて粉状になったもの。
こうなったら外壁の防水機能はほとんど失われようとしている状態と言っていいでしょう。

ちなみに新築の場合、10年以内の雨漏りは施工会社に保証義務が生じます。
そのために施工会社は物件ごとに「住宅瑕疵担保責任保険」に加入することが必須となっています。
住宅瑕疵担保責任保険とは?
「住宅瑕疵担保責任履行法」に基づき、新築10年まで外壁や屋根、開口部からの雨漏りに対して保証をするための保険です。
たとえ施工業者が倒産しても物件の買い主に不利益にならないように、施工会社が物件ごとに保険加入・もしくは保証金の確保により必ず保証されるようなシステムとなっています。
【外壁リフォームを放っておくと、どうなる?】
外壁塗装を侮るなかれ。
外壁塗装のリフォームを先延ばしにすると、屋根と同様に大変な事態になりかねないのです。
- 雨漏り
- 外壁が崩れ落ちる
- 家が傾く
劣化した壁が崩れたり、雨が染み込んだり…というのはなんとなく想像がつくけれど…。
外壁塗装の劣化で家が傾くの?!とびっくりされる方も多いと思います。
ここで家の外壁の構造を見てみましょう。

工法や外壁材によって多少変わりますが、この図のように何層にも重なった中央部分には木材が使用されています。
外壁の防水機能が失われて、この木材まで浸透し腐食させてしまった場合、壁が家を支えきれなくなって家が傾く恐れがあります。
傾くまではならなくとも、もし外壁が崩れた場合、たまたま近くにいた歩行者を傷つけてしまう危険性もあります。
「めんどくさいから」「目立たない程度の劣化だから」と思わず、自分の家として責任を持ってメンテナンスをすることが重要です。

もし白い粉がついたら今すぐにでも業者を呼んだほうがいいわよね??

屋根と外壁のリフォームする時期を選ぶポイント

ここまで紹介したリフォームの目安を見て「我が家もそろそろ、やらないといけないかも!」と思ったみなさん。
築10年という年数以外にも、ベストなリフォーム時期を選ぶポイントがあります。
- 季節は春か秋がおすすめ
- 屋根と外壁リフォームを同時期に施工してもらうとお得
- 始める時期より完了したい時期を明確にする
それぞれのポイントについて詳しく説明しますね。
季節は春か秋がおすすめ
屋根と外壁の工事は屋外でやるものなので、気候や湿度などの影響を受けやすいのです。
一般的に、 外壁塗装などの最適な環境は気温5度以上40度以下、湿度80%以下という基準があります。
この基準で考えると、比較的湿度の低い春と秋がリフォームの時期に向いていると言えます。
ここで、春夏秋冬の施工について、メリットとデメリットをまとめました。

この表のように、春や秋でなくても施工は可能です。
ただ、冬は露や霜が降りる時期でもあります。
露や霜は塗装面を湿らせてしまうので、乾燥させるのにまた時間を置かなければならず工期の延長に繋がります。
そして夏は、乾きやすくて良さそうですが、近年気温が40度近くなる日本では、時に工期の延長が必要な場合も増えてきます。




屋根と外壁リフォームを同時期に施工してもらうとお得
屋根も外壁も、施工の時には足場を組みます。
この足場代、実は15万~20万かかるってご存知ですか?
屋根と外壁を同時にリフォームすれば、「足場代」が共通項目として扱われます。
どちらのリフォームでも足場代が必要なのであれば、同時にリフォームをしてもらえれば足場代の支払いも一度で済みますね。


始める時期より完了したい時期を明確にする
リフォームの時期を決める際にいつから始めよう?と考える方は多いと思います。
ですが、リフォームは必要な塗料の調達や、外での施工なので天気の影響も受けて、工期が左右されやすいもの。
始める時期も大事ですが「いつまでに終わって欲しい」という終わりの期限を明確にしましょう。
余裕を持ったタイミングを業者と交渉するとスムーズに調整できるため安心です。
例えば「年末に親戚で集まる日までに終わらせたい」など、ご自身のスケジュールも照らし合わせてみましょう!
屋根と外壁のリフォーム時期はいつが適切?まとめ
意外と後回しにしがちな屋根や外壁のリフォームについて、今回その重要性を知っていただけたかと思います。
せっかくの大事なマイホーム。
適切な時期に、適切なリフォームをすることで永く大切に住み続けられたら嬉しいですよね。
- 築10年が目安
- よく見て、触って状態を確認する
- 湿度が低い春や秋がベストシーズン
- ご家庭の事情に合わせて納期を明確にする
以上のポイントを踏まえて、計画的にリフォームを進めていきましょう。
いいタイミングでリフォームをすることで、見た目の美しさと内部の安全が保つことができます。
屋根や外壁を大切にすることこそ、大切な家を守る第一歩ということが分かっていただけたなら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。