原因不明の雨漏りは毛細管現象を疑って!起こる理由と対策を紹介

 

見たところ屋根に目立った損傷は見られないのに、雨漏りするのはどうして?

リフォームで屋根塗装をしたのに、雨漏りし始めたのはなぜ?

 

このように、原因不明の雨漏りにお悩みではありませんか?

 

雨漏りの多くは、屋根材の劣化や破損、瓦のずれや割れなどが原因です。

しかし、屋根にこれらの大きな異常はみられないのに雨漏りする場合、実は毛細管現象が原因となって雨漏りを引き起こしています。

 

毛細管現象という言葉、聞きなれませんよね。

 

でも実は、毛細管現象は私たちの身近なところでよく起こっている現象です。

 

はるこ
毛細管現象は理科の授業で習ったような気がするわ。

でも忘れちゃった、どんな現象だったかしら。

 

あつし
ずいぶん昔のことなのに習った記憶があるなんてすごいね。

そんな母さんのために、毛細管現象がどうして雨漏りの原因になるのか調べてみたよ。

 

はるこ

ずいぶん昔だなんて、あっくんも言うわねぇ。

母さんは永遠の二十歳だもの、まだまだ青春真っ盛りよ。

 

あつし
そ、そうだったね、母さん・・・。

 

ということで、今回は以下について解説しますね。

 

  • 雨漏りの原因となる毛細管現象について
  • 毛細管現象はどのように雨漏りにつながるのか
  • 毛細管現象による雨漏りを防ぐ対策
  • 毛細管現象による雨漏りの修理費用と対策費用

 

この4つについて知ると、原因がはっきりしない雨漏りが起こった場合に、毛細管現象の可能性を疑い対処できます。

 

雨漏りは対応が遅れると家屋を痛め、カビやシロアリ被害にもつながります。

原因を早く知り、素早い対処をするためにもぜひ参考にしてくださいね。

 

雨漏りの原因【毛細管現象】とは?

 

まずは、雨漏りの原因の1つとされている、毛細管現象について詳しく説明しますね。

 

毛細管現象の仕組み

毛細管現象とは、細い管状の物体の内側で液体が吸い上げられ上昇(場合によって下降)する現象です。

 

例えば、コップにたまった水にストローを差すと、ストローの内部で水が自然と吸い上げられる現象が起きます。

この毛細管現象のしくみは、以下の3つが関係しています。

 

  1. 水の表面張力水の分子同士がお互いに引き合う力が働き、水面の水の分子は水の中だけに引っ張られるため水面が丸くなる
  2. 水による管(くだ)のぬれやすさ…表面張力のところに管を立てると、水の分子同士の引き合う力よりも管と水の分子の引き合う力の方が強くなり(付着力)、水が管の内側の壁に引き寄せられて上昇する
  3. 管の直系の大きさ…管が細ければ細いほど上昇した水の重さが軽くなるため、より高い位置まで水が移動する

 

簡単に説明すると、通常、水は重力によって下に流れ落ちますよね。

ですが、表面張力・管のぬれやすさ・管の直系の大きさの条件が揃うと、水は管のような細くて狭い「隙間」重力や上下左右に関係なく浸透します

特に、この隙間が細ければ細いほど、水の上昇する高さは大きくなるのです

 

下の動画では、毛細管現象によって細い管に水が吸い上げられる様子や、色水が紐に浸透し容器の外へ移っていく様子などを実験しています。

 

引用:YouTube

 

毛細管現象は細いガラス管の中だけで起こる現象とは限らず、私たちの身近なところでたくさん起こっています

 

例えば、タオルスポンジティッシュペーパーなどは水を吸いますよね。

これも毛細管現象です。

 

布やタオルなど繊維をより合わせ織り上げたものやティッシュペーパーには、繊維と繊維の間や糸と糸の間に、目に見えない小さな隙間がたくさんあります。

スポンジは無数の小さな穴があり、とても細かい隙間をたくさん持っています。

これらの小さく細かい隙間が、細い管と同じような働きをするため、この隙間を埋めるように水を吸い上げるのです

 

こうした目に見えないわずかな隙間」が毛細管現象を引き起こしています

 

毛細管現象が屋根で起きる仕組み

雨漏りする原因は、毛細管現象が屋根材で起こるためです。

 

瓦屋根やスレート屋根には何百枚という屋根材が並べられ、その一枚一枚は重ねられています。

そして、上の屋根材と下の屋根材とが重なる部分にはわずかな隙間(約4mm)が確保されています。

 

この隙間万が一雨水が入った時の排水する出口であり、湿気を逃がす換気口です。

このように、屋根材にあらかじめ隙間を設けることで雨漏りを防いでいます。

 

しかし、なんらかの原因でこの大切な隙間がふさがってしまう場合があります

そして、屋根材と屋根材との間の適度な隙間がふさがった状態になると、ほんのわずかなひび割れや隙間ができたときに毛細管現象が起きてしまうのです

 

ほんのわずかな隙間とは
  1. 屋根材同士の間が何かでふさがり、その何か自体が劣化し亀裂が入ったり屋根材との間にわずかな隙間ができたとき
  2. 屋根材そのものが経年劣化によって、小さなひび割れなどわずかな隙間ができたとき

 

この状態で雨が降ると、本来なら重力によって屋根材の上から下へ流れる雨水が、できた隙間から吸い上げられ屋根材の内部に入り込んでしまいます

 

また、スレート屋根は屋根材の上のほうで釘(くぎ)で固定されています。

釘の部分は上の屋根材が重なっているため露出していませんが、経年劣化や乾燥などで釘穴に隙間ができると、毛細管現象で吸い上げられた雨水がこの釘穴から入り込むのです。

出口となる部分の隙間はふさがれているため排水できず、たまった雨水は防水紙の下を通り抜け、これが雨漏りとなります

 

つまり、毛細管現象が起きるかどうかはこの屋根材の間の「適度な隙間」がポイント。

 

毛細管現象は隙間が狭ければ狭くなるほど、水が吸い上げられる力が大きくなるため、この「水を吸い上げる力」を弱めるためにも、屋根材同士の間には適度な隙間が必要というわけですね。

 

はるこ

タオルもティッシュペーパーも、水が浸透していくのは毛細管現象によるからなのね。

水が上に行くのは不思議だけど、動画を見ると水が移動していく様子がよくわかるわ。

 

あつし
イメージしにくいかもしれないけれど、屋根材の隙間やひび割れでも、同じように毛細管現象が起きるんだよ。

 

毛細管現象が雨漏りにつながる3つの原因とは?

 

毛細管現象によって雨漏りをしないために、屋根材の間の適度な隙間が重要だとわかりましたが、なぜその大切な隙間がふさがってしまうのでしょうか。

原因を探ってみました。

 

原因1:汚れや土埃などの蓄積

先ほども説明しましたが、瓦屋根やスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)など、新築時の屋根材は雨水の排水や換気などのために、屋根材と屋根材との間に適切な隙間が設けてあります。

ですが、年数が経つにつれ汚れ土埃などがたまって隙間が狭くなったり埋まったりします

そうすると、狭くなった隙間や詰まった土埃で雨水を吸い上げる毛細管現象が起き、屋根の内部に雨水が侵入して雨漏りとなってしまうのです。

 

スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)とは
スレート屋根材はケイミュー社が製造し多くのシリーズがある。

その中でも、低価格で最も多く使われているのが、カラーベストシリーズの中のコロニアルという商品。

 

原因2:スレートの屋根塗装

引用:株式会社建築システム

 

リフォームなどでスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)を塗り替えた際に、屋根材の重なる部分にある隙間が、塗料によって埋められてしまう場合があります

その後しばらくして、ふさいでいた塗料が劣化してほんのわずかな隙間ができると、その隙間に雨水が吸い上げられ毛細管現象を起こします

 

以下は屋根塗装が原因で毛細管現象が起こり、雨漏りしているケースです。

 

引用:Yahoo!知恵袋

 

このように、屋根塗装をしたのに雨漏りが始まったという場合は、塗料で隙間がふさがれている可能性が疑われます。

毛細管現象について知識の無い業者や、飛び込みの訪問販売業者の、安さを売りにした工事によって発生しています

 

原因3:瓦のラバーロック工法

ラバーロック工法は、瓦同士を接着剤で結合・固定(コーキング)する工事です。

主に台風対策や耐震性を上げるために導入されています。

 

しかし、屋根全体にラバーロック工法を施工してしまうと、雨漏りの原因に

 

本来、瓦同士の間に確保されているはずの隙間がコーキング剤でがっちりふさがれてしまうため、湿気などの逃げ場がなくなり下地が腐食しやすくなります。

また、年数が経ちコーキング剤が劣化した場合、亀裂や隙間ができてしまいます

すると毛細管現象によってその隙間から雨水が侵入し、雨漏りにつながってしまうのです。

 

正しい施工であればきちんと効果を発揮する工法ですが、飛び込みの訪問販売業者などの中にはいい加減な施工を行うところもあり、毛細管現象による雨漏り被害が起きているのも事実です。

 

毛細管現象による雨漏りを防ぐ3つの【隙間】対策とは?

 

毛細管現象を起こしにくくするためには、ひび割れや亀裂を修理したり、汚れや土埃、塗料などで屋根材の間の隙間がふさがらないよう対策が必要です。

具体的な方法を紹介しますね。

 

対策1:プロによる屋根材の定期的な点検・メンテナンス

一見問題ないように見えていても、屋根材は経年劣化や損傷を受けるなどで、小さな亀裂やひび割れを生じています

このようなわずかな隙間が毛細管現象を起こし、見えない部分で雨漏りが進むのです。

 

毛細管現象は素人では原因を突き止めるのはむずかしくプロの力が求められます

亀裂やひび割れを早めに見つけて対処するためにも、数年に1度のペースで定期的に点検してもらいましょう。

 

屋根材は常に雨風、土埃などに晒されているため、どうしても汚れや土埃の蓄積からは逃れられません。

ですので、汚れや土埃による毛細管現象を防ぐためには、定期的なメンテナンスも必要です。

瓦の場合、隙間にたまった汚れや土埃を瓦をめくって撤去する方法をとります

 

対策2:タスペーサーで屋根材同士の隙間を確保

引用:株式会社セイム

 

スレート屋根を塗装する際、屋根材と屋根材の隙間が塗料でくっつくのを防ぐ必要があります。

屋根材と屋根材の重なり隙間を確保する作業」を縁切りと言い、屋根塗装をする場合は必ず行わなければなりません。

縁切りは、近年普及しているタスペーサーと呼ばれるプラスチック製の部材を差し込んで行います。

こうして隙間を確保すると、万が一毛細管現象が起きても隙間から雨水を排水できます。

 

タスペーサー
  • スレート屋根の屋根材の隙間に挟み込み、隙間が塗料で塞がれてしまわないように確保する部材
  • 下塗りの段階で差し込み、上塗の際に隙間をふさがずに施工できる
  • 屋根材のジョイント部分から左右15mmを目安に入れる
  • 数量は100㎡で約1000個使用

 

タスペーサーが使われる前は、屋根塗装完了後に塗料で密着した屋根材の隙間を、カッターなどで切って隙間を作っていました

ですが、この方法では次のような問題が生じていました。

 

  • 屋根に傷や足跡がつくため再塗装が必要になる
  • 屋根材の隙間に入り込んだ塗料が乾きくいせいで、カッターで縁切りした後に塗料が乾いてくっついてしまう

 

こうした問題を解消してくれたのがタスペーサーです。

タスペーサーなら塗料が再度くっつかず、確実に屋根材の隙間を確保できます

 

ただし、スレート屋根の種類や劣化状態によって、タスペーサーを使用できない場合があります。

屋根塗装の際は信頼できる業者に、縁切りの方法などを確認してくださいね

 

対策3:ラバーロック工法は部分的に行い隙間を確保

瓦の山の左側面と山の下側だけをL字型にコーキング剤で接着すると、最小限のコーキングで瓦を固定できます

こうすると、瓦と瓦の間の隙間が確保され換気と排水がしっかりでき、毛細管現象による雨漏りを防げます。

 

飛び込みの訪問販売業者などの「耐震性が上がる」「安価」という誘い文句につられず、まずは自分の家に本当に必要な施工かどうかしっかり検討することが大切ですよ。

 

【雨漏りの修理費用相場】毛細管現象の対策費用もあわせて紹介!

 

毛細管現象が原因の雨漏りは、一見、屋根材に特に目立った異常が発見できない場合が多くあります。

かといって放置はできませんよね。

ここからは、屋根の修理費用の相場とタスペーサー設置の費用について説明しますね。

 

【修理費用相場】毛細管現象による雨漏り

毛細管現象によって雨漏りした場合、屋根材のひび割れや劣化などが考えられます。

経年劣化は塗装では対応できないため、屋根材の交換が必要となります。

 

修理費用の相場は以下です。

 

修理工事の種類 スレート(約30坪) 瓦(約30坪)
屋根の一部(足場代含む) 15万~30万円 15万~30万円
葺き替え(足場代含む) 120万~200万円 140万~200万円
雨漏り修理(下地など) 20万~250万円  20万~250万円

 

屋根材の種類や業者によっても費用は異なります。

また、屋根は高い場所での作業のため必ず足場が必要です

そのため足場代(15万~20万円)が含まれています

 

さらに、雨漏り修理は特殊で、天井や内部の下地などの修理が必要な場合も。

雨漏りの規模により部分的な工事から全体的な工事まで行います。

その場合、20万~250万円の費用が屋根材の交換に追加でかかります

 

【対策費用相場】タスペーサー設置

毛細管現象対策のため、リフォーム時にあらかじめタスペーサーを設置する場合の費用相場は以下です。

 

単価(1個) 20円~50円
単価(1㎡) 300円~1,000円
必要個数(一般的な住宅30坪 約100㎡) 約1000個
費用相場(一般的な住宅30坪 約100㎡) 15,000円~50,000円

 

塗装も同時に行うため、上記に加えて1㎡あたり1,500円~3,500円が追加でかかります。

 

参考までに、従来の工法で縁切りをする場合(カッターなど)だと、一般的な住宅の屋根で2人がかりで作業時間は約1日です。

タスペーサー代はかかりませんが、人件費が多くかかるため、費用は50,000円~60,000円ほどです。

これに塗装代が追加になります。

 

タスペーサーの設置作業は塗装と同時進行で行えるため、1人で約2時間あれば完了です

工期の短縮と人件費の削減が期待できます。

 

 

こちらの記事は、雨漏りの修理費用の目安を解説しています。

リフォームで雨漏り補修!いったいいくら?目安費用を徹底比較 !

2020年4月11日

 

原因不明の雨漏りは毛細管現象を疑って!起こる理由と対策を紹介のまとめ

 

屋根に大きな異常が見当たらず原因がわからないのに雨漏りするときは、多くの場合毛細管現象が原因です

毛細管現象には「隙間」が大きく関係していましたね。

 

そして、屋根で毛細管現象が起きる理由はこちらでした。

 

屋根で毛細管現象が起こる理由
  • 屋根材同士の隙間が土埃屋根塗装ラバーロック工法などによりふさがれるため
  • 経年劣化や損傷を受け、屋根材にわずかなひび割れなどができるため

 

毛細管現象による雨漏りは素人では原因を見つけるのは難しく、原因追及はプロの力が求められます

また、中には屋根塗装やラバーロック工法を勧められて、知らないうちに屋根材の隙間をふさがれてしまう場合もあります。

施工後に雨漏りして気がつくケースもあるので、行うならやはり信頼できる業者に依頼するのが安心です

 

そして、毛細管現象は隙間のチェックが大切です

 

タスペーサーの活用や定期的なチェックなど、隙間をふさがないための対策を行って大切な家を守ってくださいね。

 

雨漏りで困ったらプロの力をぜひ、頼ってくださいね

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

執筆者の紹介

執筆者:あつし 有資格:外壁アドバイザー

リフォームの中でかなり費用がかかる屋根・外壁はとても施工面積が広いので、業者や素材の選び方次第で支払額がまったく変わってきます。このブログは有資格者の僕が、読者様が損しないように有益な情報をまとめています。執筆者のプロフィール>こちら

 

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